紙漉のうた2013/04/08 21:53

知り合いからいただいた、和紙の豪華装幀本をつらつらとめくっていたら、いいものを見つけたので記録。そのものずばり「紙漉」という名の七首。
(画像はわし太夫より:なお歌とは無関係です(笑))

家々に 谷川引て 水湛へ 
     歌うたひつつ 少女(をとめ)紙すく

水に手を 冬も打ひたし 漉きたてて
     紙の白雪 窓高く積む

紙質に 来る人おりまし さねかづら
    這いまとはれる 垣をしるべに

居ならびて 紙漉くをとめ 見ほしがり
    垣間見するは 里の男子(をのこ)か

黄昏に 咲く花の色も 紙を干す
    板のしろさに まけて見えつつ

鳴たつる 蝉にまじりて 草たたく 
    音きかするや 紙すきの小屋

流れくる 岩間の水に 浸しおきて
    打敲く草の 紙になるとぞ

作者は越前国石場町(福井県福井市つくも町)出身の歌人、橘 曙覧(たちばな しょらん)。
※私の見た本だと「しょらん」とあったのですが、wikipediaでは「あけみ」になっていました。どちらが正しいのかもしくは両方正しいのか、確認中。ご存知の方いらしたらご教示ください。
本人は江戸終焉の年(1868)に亡くなったが、その長男が父の残した歌をあつめ、
1878年に『橘曙覧遺稿 志濃夫廼舎歌集』(しのぶのやかしゅう)として編纂。

あの正岡子規が「源実朝以来、歌人の名に値する者は橘曙覧ただ一人」と絶賛。
時代下って1994年、天皇皇后両陛下の訪米の際、当時のアメリカ大統領ビル・クリントンがスピーチの中で
たのしみは 朝おきいでて 昨日まで 無かりし花の 咲ける見る時
という曙覧の歌を引用し、再度脚光を浴びることになった。

まさに正真正銘の天才歌人。恥ずかしながら、こんな福井県人がいたことを、今のいままでよく知らないでいた。

さらに。

この「紙漉」の七首、昔紙漉きの村だった福井県坂井郡大安寺付近にて詠まれたという。

大安寺といえば・・・

(大安禅寺HPより)長田製紙所の記事
http://www.daianzenji.jp/index.php?e=50

ちなみにこの大安禅寺、かつて織田信長の攻略により焼きつくされその後再建されたという、大滝神社と似た歴史を持つ。あの時代の越前はどこもかしこもそういう状態だったのかもしれないが、それにしてもちょっと出来過ぎな話。

元々すべてが繋がっているのに、気づかないだけなのかもしれない。降って湧いた御縁のようにみえても、実はいつか何処かで、時空を縫うように明らかな糸が引かれているのかも。

今週末はいよいよ「福時」!2013/04/17 09:22

ちゃくちゃくと準備が進んでおります♪
「福時」byわし太夫

福時~福井時間をご一緒に~
日時 4/20(土)11:00~19:00
    4/21(日)11:00~19:00
    4/22(月)11:00~16:00
場所 ふくい南青山291 2F
※東京メトロ・表参道駅B3出口より徒歩5分。

わたくしの出没時間、
4/20(土)は子どもの試合後駆けつけますので、午後から夕方頃まで。
4/21(日)は終日(夕方まで?)
4/22(月)終日

いらっしゃる日時がお決まりになりましたら、わたくしの携帯にお電話もしくはメールくださいませ♪ここにコメントしてくださってもOK♪

お待ちしております!

2013福時、今年も楽しいひとときでした2013/04/24 21:55

福時~福井時間をご一緒に~
2013.4.20(土)21(日)22(月)の三日間、ゆったり和やかで穏やかな福井時間を楽しむことができました。参加された皆さま、お疲れ様でした!そして足を運んでいただいた皆さま、本当にありがとうございました!

当日の様子はFaceBookページ「かわかみひめ」のアルバムをどうぞ(FBのアカウントがなくてもご覧になれます♪)

GWの和紙の里2013/04/28 22:58

さてあっというまにGWです。和紙の里・大滝神社では春の例大祭。福井県無形民俗文化財にも指定されている、由緒あるお祭りです。いつもは山の上の奥の院にまします川上御前も、お祭りの間は里に下りていらっしゃいます。

里宮(岡太神社本拝殿)は1984年(昭59)に国の重要文化財に指定され、さらに2007年(平19)には世界の名建築100選(NHK教育)にも選ばれた由緒ある建物。全体の姿もさることながら側面にある彫り物細工も素晴らしいので、是非近くで見るべき!

5/3(金)18:00 宵宮祭 紙祖神、奥の院より奉迎(お下り)
5/4(土) 9:30 例祭
     11:30 湯立神事

※去年の写真です。あいにくの雨でした。地元の子供達が行う神事です。

5/5(日)10:00 後宴祭
       12:00 神幸祭
     12:30~18:00 神輿渡り
     20:00 奉送祭 紙祖神、奥の院へ奉送(お上り)

※里を練り歩いて、戻ってきたところです。こんな勢いで、夜はお峰にも上ります。かなりワイルドですよ♪

     
同じ日程で、越前和紙の里通りでも各種イベントが開催されます。
神と紙のまつり
中でも目玉なのが毎年大好評の
「越前和紙大掘り出し市」

普段なかなかお目にかかれない一枚紙の和紙や、色とりどりの端切れ紙など、お好きな方にはたまらない充実した品揃え。毎年はるばる遠くからお出かけくださる常連さんも多いです。他に越前打刃物・焼物・漆器なども展示販売します。製造元直売なので価格的にもかなりお得!見て回るだけでもワクワクしますよ♪
他にも、手打ち蕎麦や焼き鳥などの食べ物の出店、紙漉き体験や職人の技の見学、小さいお子さん向けのコーナーなど盛りだくさん、一日たっぷり遊べます♪

関西方面からはもちろん、東京からも意外に近い福井県
(東海道新幹線で米原または名古屋で北陸線特急に乗り換え、武生または鯖江下車。3時間ちょいです
四連休のGW後半は福井県・越前和紙の里にて、歴史と伝統を肌で感じつつのそぞろ歩きは如何でしょうか♪