2017ゆかた団扇ワークショップ、無事終了♪2017/07/21 17:56

長田製紙所初の試み越前和紙ゆかた団扇ワークショップ」。

初……いや実は福時でも……(もごもご)……えーと、作業の手順を最適化し段取りをし必要な材料と道具を揃えタイムテーブルを作り、という下準備をして臨んだ本格的なワークショップは初です。……たぶん。あっ私にとっては確実に初。どうでもいいですね、すみません(^_^;)
振り返ると、日程が7/16(日)17(月祝)といったいかにも行事が多そうな三連休真っ只中、しかも関東はお盆。ああーしまったもう少し後か前かにしとくんだった…と心配していましたが。
蓋を開ければ予想外に多い参加人数!ありがたいことに大盛況♪でした。
講師の義姉、アシスタント&トーク係の姪、撮影係の私(←しょぼい 笑)が全員浴衣を着こみ最強の?布陣で挑んだ二日間、お客様は全員真剣そのもので取り組まれ、それぞれに素敵なゆかた団扇がいくつも生まれました。

最後の回に不肖わたくしもやってみましたが、なるほどこれは楽しい!
線を引く、切る、のりをつける、貼り合わせる。ひとつひとつは単純な作業なのになかなか思うようにはいかない。「線をキレイに引いてそのとおりに切る」って意外にできないのよ奥さん。ましてや最難関の最終工程・縁取り貼りなんてまずほっそーい紙を半分に折るのが老眼にはキツイし貼ってるうちに指にくっつくしでもう大変。ちなみに熟練の職人さんはコレ、40秒で貼り終わる!そうです。一般人が数動作でモタモタやるところを一回の動作ですぱっとできちゃうんですね。他の工程も全部、そういう細かい所から既に違うのでしょう。まさに神は細部に宿る。
このように
ものづくりの楽しさが味わえる&職人さんの凄さがストレートに実感できる
良いワークショップでございました(自画自賛)。

というわけで今回の作業工程を下にまとめてみました。今時完全手書きですみません(笑)来年以降にも使える、かも??
最後に。
猛暑の中しかも貴重な三連休、数あるイベントの中から「ゆかた団扇ワークショップ」を選んで参加してくださった皆さま、
本当にありがとうございました! 
お手もとのゆかた団扇とともに、楽しい夏をお過ごしくださいませ。

そして今後とも、越前和紙と長田製紙所をどうぞよろしくお願い申し上げます!

続いてきた理由 八2017/06/13 10:30

気がついたら「七」から一年以上過ぎてた…気を取り直してゆるゆる続きます。

さて、紙祖神・川上御前を祀る大瀧神社は来年の1300年大祭を前に、地元でさまざまな準備が同時進行しております。「わし太夫」にボチボチ記事が載っておりますが、大祭は地域にとって大規模メンテナンスの絶好の機会でもあります。年数を経て傷んできた箇所の点検・補修・改修は神社仏閣にとどまらず、一人一人が自分の家やその周辺も整えるため、地域全体が一種独特の緊張感に包まれます。33年ごと・50年ごとという、昔の平均寿命を考えると人ひとり一生に一度あるかないかのお祭りを、時の政権や法律等に依らない地元民のコミュニティレベルで代々繋いでいくシステムが成り立っているというのは驚くべきことです。

以下、御開帳(おかいちょう:33年ごとに行われる仏式の節目の大祭)と御神忌(中開帳 なかがいちょう:50年ごとに行われる神式の大祭→来年はこちら)が行われた年代と回数を示します。
なお1575(天正3年)に織田信長の武将・滝川一益により大滝寺の堂舎は焼亡、これより前の資料は失われたため、記録に残されているのは1585年以降です。

1585(天生13年) 第26回 御開帳
1617(元和3年) 第27回 御開帳
1618(元和4年) 900歳 御神忌
1650(慶安3年) 第28回 御開帳
1667(霊元7年) 950歳 御神忌
1683(天和3年) 第29回 御開帳
1716(正徳6年) 第30回 御開帳
---この年6月、享保と改む
1718(享保3年) 1000歳 御神忌
1748(延享5年) 第31回 御開帳(3/20-4/20)
---この年7月12日、寛延と改む
1768(明和5年) 1050歳 御神忌
1780(安永9年) 第32回 御開帳(3/23-4/23)
1812(文化9年) 第33回 御開帳
1818(文化15年)1100歳 御神忌(3/5-11)
1844(天保15年) 第34回 御開帳(3/23-4/23)
---この年12月2日、弘化と改む
1866(慶応2年) 1150歳 御神忌
1876(明治9年) 第35回 御開帳(4/27-5/1)
1908(明治41年) 第36回 大祭典
1918(大正7年) 1200年大祭(4/14-20)
1940(昭和15年) 第37回 式年大祭(6/11-15)
1968(昭和43年) 1250年大祭(5/2-5)
1973(昭和48年) 第38回 式年大祭(5/3-6)
2009(平成21年) 第39回 式年大祭(5/2-5)
そして来年、
2018年(平成30年) 1300年大祭(5/2-5)
となっています。ちなみに何で来年が1300年かといいますと、大滝神社の始まりが719年とされているからです。(数え年ですね)
719年。前年に白山を開闢した「越の大徳」泰澄大師が戸谷村(旧武生市戸谷町)にて説法をしていたとき、南東の方向に毎朝紫雲がたなびくのを見た。不思議に思いその地を訪ねたところ、清い滝がありその響きが音楽のようであったため里の名を大滝と改めた。さらにその滝の東北東にある山を登ると杉の大木があり、枝が紫雲に覆われていた。峯を巡ると白山が見えたので拝願し、
「この山は霊地であるから権現の御影向(ごようごう)を図(うつ)したまえ」
と一心に祈念すると、白山より金色の大光明が放たれ、5・6歳の児(ちご)が大師の膝の上に来現、たちまちにして白玉と化したのでこれを石唐櫃に納め埋められた。以後、川上御前を含む神々を祀る大滝兒(ちご)権現、大滝寺が開創された。
(この縁起については「泰澄大師御自筆の巻経があったが、信長軍の攻撃により焼失したため元祖大師から伝聞し授受した所を付記」したとする天正13年9月6日付の記録が残っている)

小さな里の祭りが、これだけの長い年月、社会状況が大幅に変わっても途切れることなく、そればかりか古代からの形式そのまま純粋な形で引き継がれてきた……元々神道方支配と仏教方支配とに分けて祭事を行っていたため、明治期の神仏分離政策にも影響されなかったのだそうです。神と仏は別のものであるという最初の前提から離れることなく、それぞれ尊重すべきものとして対応してきたと考えると、単に「変えなかった」のではなく、非常に理知的な判断を以てあえてそのまま維持するという、強い意志の存在をも感じます。
水の神に呼ばれた川上御前がまします山、そこにかかる雲が泰澄大師を引き寄せ、流れる美しい水の音にちなんだ名前を授けられた土地はたくさんの神と紙によって守られることとなった。生命の源である水、その水を豊富に与えてくださる山やま、そこで紙すきを教えてくださった川上御前、神仏と触れ合う場所をととのえてくださった泰澄大師、そして今までその地に住み仕事を続けてきた名もなき先人たち。これらすべてのものへの敬意と感謝の心が、それぞれの身分や地位や立場、時代をも超えて脈々と繋がっている―ーーそれこそが真に「伝統」と呼べるものだとすると、越前和紙の里は古来から自然と「伝統」を体現している稀有な土地といえるでしょう。

参考:「神と紙 その郷」紙祖神岡太神社・大滝神社 重要文化財指定記念誌

「和」が繋ぐご縁2017/03/05 22:36

ルイーズスクエア」開店より一週間が経ちました。まだほとんど宣伝していないにも関わらず、店主の和に対する並々ならぬ情熱と、選び抜かれた品々の力でしょうか、じわじわとこの流行最先端の地に浸透しつつあるようです。
表参道AOビル・テラスから見た風景

この「ルイーズスクエア」と長田製紙所のご縁は2014年11月、一通のメールからはじまりました。とあるサイトでEICO BAG等に目を留めた・美術館のショップで長田の製品を扱いたい、とのお話。
恥ずかしながらこのときまで存じ上げなかったのですが、
を検索してびっくり。シベリア抑留から生還後、「一竹辻が花染」と呼ばれる染の技術を極め、国際的にも高く評価されているという職人・久保田一竹氏が1994年に作った美術館でした。河口湖畔で人気のスポットのひとつでもあります。webサイト越しに見ても、辻が花の豪奢な美しさは半端ではなく、こんな凄い場所に長田の製品を置く?!大丈夫?! とドキドキしながら、見本を片手に吉祥寺の「ルイーズスクエア」事務所(当時)を訪れました。メールの文面からも伺えた人柄の良さはもとより、和の製品に対する並々ならぬ熱意を肌で感じ、あたたかく迎えてくださったのをいいことにすっかり舞い上がり、何を口走ったのかもよくわからないうちに取引のお話がまとまったのでした。
 こちらの至らない対応にもいつも物腰柔らかく笑顔で受け入れてくださる器の大きさ、お心遣いにいつも助けられ、現在まで途切れることなく続いている「ルイーズスクエア」さんとのご縁。今後とも、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

余談:
妹尾河童さんの本に久保田一竹さんの仕事場載ってます。以前から持っていた本ですが、気づいたのは最近。発売は30年以上前なので、まだ美術館もなく、一竹さんが現役でバリバリ活動してらっしゃる頃と推察します。必見♪ 他にも水上勉さんの水車小屋やレーガン大統領の執務室など、今見るとまた感慨深い。河童さんの慧眼と仕事に脱帽。


和紙のトリセツ2017/02/28 16:04

注)和紙のトリセツと表題にはありますが、すべての和紙に当てはまるかどうかはわかりません。あまり長々書くのも何なので内容は必要最小限度に留めていますが、間違いや不備などあれば是非ぜひご指摘くださいませ。ネットの集合知に期待(←)
                                2017/3/1 記
共通
和紙は呼吸しています。湿気の多いところでは水分を吸収し、乾燥したところでは水分を放出。保温性も高く脱臭効果もあり。和紙は使う人と同じ空気を吸い、年を経て少しずつその色や風合いを変えていきます。一般的に、洋紙より圧倒的に保存性が高いことでも知られています。(現存する日本最古の和紙は701年のもの:正倉院保管の戸籍)

〇火気厳禁
〇長時間直射日光や強いライトを当てない
〇濡れっぱなしにしない(濡れたら水分を吸い取って陰干しのこと)
〇洗剤は使わない

以下、上記と一部重複しますが長田製紙所の主要製品についての”トリセツ” 取扱説明書。

すきあかりについて
長田製紙所二代目が考案した「飛龍」という技法を使い、四代目長田和也が手の動くままに作ったインテリアライトです。
アクリルで保護された電球の周りに一枚紙をぐるっと巻き付け、マグネット留めしています。和紙が作り出す光と影のコントラストは、心癒される特別な空間を生み出します。
電球の基準
口金サイズ E26
(小)25ワット
(特大)40ワット
LEDクリアタイプ推奨(すきあかりから漏れ出る光が最も美しく見えます)
注意点
1.すきあかりは屋内用です。戸外や雨風の吹き込む場所、高温多湿な場所、直射日光や強いライトが長時間当たるような場所には置かないでください。電気系統のトラブルや和紙の変色・退色などを招くおそれがあります。
2.火気厳禁です。
3.電球取り換え時は必ず電源をお切りください。
4.持ち運び時にはコードに注意し、両手で優しくお持ちください。
5.和紙の特性として、気温や湿気により収縮しますので、時とともに色や風合いが変化していきます。自然素材故の味としてお楽しみいただければ幸いです。
お手入れの仕方
電気部品にホコリがたまらないようご注意ください。
和紙シェード部分のホコリは、柔らかい布やハケなどでやさしく払い落としてください。水に濡れたときは乾いた布で押さえるように水気をとり、形を整えて陰干ししてください。洗剤は使わないでください。
そのほか傷や痛み、汚れなど気になりましたらご相談ください。
交換用に和紙のみ購入することも可能です。

※2017/2/28追加
送る場合
和紙部分:和紙より少し大きめのボール紙(柔らかいもの)などを用意し、ボール紙を外側にして和紙とともにアクリルの周りにしっかり(緩すぎず・キツすぎず)巻き付け、ヒモやテープなどで留めます。きちんと留まっていないと運搬中に中で紙が広がって、折れや汚れ・傷の原因になりますのでご注意ください。
電気部分:コードはしっかりまとめ、電球は割れないよう緩衝材で包むか覆うかしてください。
箱はすきあかりの大きさ+緩衝材の分も入れたくらいのサイズで用意してください。
一番は、製造元から送付した際の箱や紐、緩衝材などそのまま保管し、できるだけ同じように荷造りしていただくことです。投げ上げや上に重いものを置くこと・水濡れは厳禁。その他荷造りや送付方法について不明な点などあれば遠慮なくお問合せください。

EICO BAGについて
EICO BAGとは?
「EICO BAG」は、このバッグの考案者である伝統工芸士・長田榮子(おさだえいこ)の「EIKO」と「ECOLOGY」をかけた造語です。1500年の歴史を持つ越前和紙の里(福井県越前市)の豊かな自然と、受け継がれてきた職人技より生まれました。丹念に漉いた和紙を手もみ加工し、にかわ等で固め貼りあわせ、持ち手は一本一本手編みしています。漉き場の片隅で何度も試作を繰り返し、紙の柄やデザインに少しずつ改良を加えながら二十年。今や長田製紙所のロングセラー商品となりました。
和紙のバッグは初めて。どう使う?
とても丈夫で軽いので、どこへでもお気軽にお持ちいただけます。手作りのためひとつとして同じものはなく、A4クリアファイルが入るXLから手のひらに乗るminiまでサイズも種々取り揃えてございます。和紙の優しい風合いはどんな服装、どんなシーンでも不思議に馴染みます。お花を活けたり、ギフトボックスとして使っても素敵。なお、バッグの形が変わるほど大きなものや重いものは、型崩れや破損の原因となりますので避けてください。
和紙は、湿度の高い時には水分を吸収し、低い時には放出します。長く使ううちに表面が滑らかになり、色も少しずつ変わっていく和紙のバッグは、使う人と同じ空気を呼吸しているのです。
突然の雨!大丈夫?
多少の水濡れには耐えるよう丈夫に作っておりますが、なるべく早く乾いたハンドタオルなどで軽く押さえるようにして水気をお取りください。水はねによる少々の汚れならばこれで取れます。また和紙の特性として水分を含むと若干柔らかくなりますので、気になるときは軽く形を整えて陰干ししてください。乾けばまた元の硬さを取り戻します。
旅行先で使いたい!
遠方でのパーティーやお茶会などに、軽くて持ちやすいEICO BAGはぴったり。スーツケースなどにパッキングする際は、タオルや衣服、小さなポーチなどの荷物をバッグが膨らまない程度にきっちりと詰め、持ち手は出したまま風呂敷などに包んでいただくと、型崩れや汚れの心配も少なくスペースの有効活用にもなります。軽いので、国内はもとより外国旅行にもおすすめ。旅先での出会いや会話のきっかけになれば幸いです。

富士の魔力2016/07/01 11:42

ご無沙汰しております!なんてことでしょう、もう最後に更新してから半年以上経過!時のたつのは早いものですね(←)

さて、ちょっとばかり前の話になってしまいましたが、富士山について。
以前、長田のホームページからお問い合わせいただき、大きなサイズの越前和紙をお買い上げいただいた方の個展が、前回と同じ東銀座のギャラリーでひらかれました。
完成間近のころ、メールで一足先に見せていただいた富士山は、タブレットの小さな画面にも関わらず鳥肌が立つほどの神々しさでしたが、1.8×3メートルの実物はやはり相当な迫力でした。
一歩踏み込んだとたん、ギャラリーいっぱいに広がる富士山のすそ野。一枚目の作品、小豆島の「千年オリーブの木」は、ただ静かにそこに佇んでいる、その存在にふんわり包まれるようでしたが、今回は違う!こちらにぐいぐいと迫ってくる何かの力に、引っぱられる感じがしました。
これが色鉛筆で描かれたものとは…前回以上に驚きです。繊細で優しいイメージのある色鉛筆のタッチが、ここまで力強いものになり得るのですね。

静岡生まれの大沼信之さん、富士山には格別の思い入れがあると仰られていました。この絵を描くための習作(といっても完成度が高い!)の数々からもその心は十二分にうかがえます。富士山というモチーフそのものに力があり、それを選ぶことだけでも並大抵のことではない。以前に描かれたものとは明らかに、何かが違うと感じました。
越前和紙が繋いだこの不思議なご縁に、改めて感謝したい気持ちに加え、一種の畏怖の念にもかられています。富士の力を存分に得たこの方は、いったいこの先どのようなものを描かれていくのだろう? 一年の間、全力で大作に取りかかられ、しばらくは休みたいと仰られていましたが、まだまだ、むしろこれからどんどん描いていただきたいと思います。その際、紙の神がおわします越前の和紙がもしまたお役に立てるならば、こんなに嬉しいことはありません。
新たな挑戦、期待しております!

以下、大沼さんのご友人が作られた個展&ギャラリー動画を置いておきます。

私も頑張らなくちゃ…とりあえずブログ更新を。