「福時」2014.4.19-21、お蔭様で沢山のお客様のご訪問をいただき、無事三日間の日程を終えました。おいでいただいた皆さま、本当にありがとうございました!
「越前和紙の茶室」。普通に写真に撮ってみるとほら、中の人は判別できない。
けれど現地にいて自分の目で見ると、しっかりくっきり分かります。もちろん今のカメラの性能なら、いろいろと設定をいじれば映るように出来るのかもしれませんが、人は深く考えずとも意識を向けるだけでいろんなものを「見る」ことができる。つまりはそれほど人間の「意識」の力はすごいということなのでしょう。
「ただの」紙が木枠に留められているだけ、強い力を加えれば簡単に破壊できるようなか弱い「仕切り」が、見事に「茶室という空間」を形作り、淹れる人、いただく人両方に程よい緊張感と集中力を与えていました。内からは外が見え、外からも内が見える。外と内は分かれていても、隔ては無いに等しい。同じなのに違う。違うのに同じ。対立すると思われるものが両立している、それこそが「お茶の心」だと文房流の先生にも教えていただきました。
毎年美味しいお茶とお菓子を愉しませていただいてましたが、今年は本当に格別でした。自分自身が、回数を重ねることでやっと気づいただけなのかもしれませんが。
源氏物語の時代にはバーチャルな、いわゆる「結界」に近い意味合いでの仕切りや隔てであったものが、襖などのより機能的な建具になり、壁になり、出入りの自由はどんどん狭く小さくなり、今やドア以外に開口のない個室が一般的となりました。それはそれで便利だし、プライベートを守っていくには必要な流れではありましたが、やはりそればかりでは息が詰まってくるのかもしれません。元々何もない空間に意味を成し、遊び、楽しむ能力に長けた日本人です。普段オートロックのマンションに住まい、最新式の機器に囲まれて生活していても、時々こうして原点に帰ることは日本人として必要であるとともに、無上の喜びをもたらすものである、と思います。
さて、次なるイベントのお知らせです。
紙の神様、川上御前が住まわれている山上の本殿からお下りになり、祭の間里宮にご滞在されます。地元小学生による浦安の舞やお神輿、奉納太鼓などの神事はもちろん、和紙の里通りでのイベント、長田製紙所も参加する「掘り出し市」(お得!)など盛りだくさんのお祭りです。GW、是非足を運んでみてくださいませ♪
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