むかし語り(四) ― 2010/08/27 22:54
祖父は三日三晩高熱が下がらず、何度も生死の境をさ迷った。家族の懸命な看病の甲斐あって、ようやく熱も引き物が食べられるようになった時、頑健そのものだった体は痩せおとろえていた。手のつけられないやんちゃ坊主だった弟はすっかり人が変わり、朝から晩まで祖父の元で過ごし、看病する父や母、伯父や叔母を助け、こまめによく働いた。
私はといえば、あえて祖父の部屋には近づかず、家事や他の弟妹の世話をした。祖父の面倒は皆が全力でみている。私は足りない部分を補う役割を担うのだ、幼いなりにそう決意していた。
ある朝のこと。井戸に水をくみにいった私は、集まった女衆から、ある噂を小耳に挟んだ。祖父を師と慕う若衆の中の、特に血気盛んな者たちが、仇討ちを計画しているという話だ。私はすぐに祖父に知らせた。祖父は父を呼び、小声で何かを指示するとあとは目を瞑った。父はすぐ出かけていき、夕暮れまでには戻ってきた。自分の仕事に専念しろ、すこしでも自分の腕を磨け、それが一番の仇討ちだ。祖父の言葉に誰もが頷いたという。
それ以来祖父は目にみえて回復した。隻眼になったとはいえ、仕事の勘は少しも鈍っていなかった。皆大いに喜び、大いに働いた。村は元通り平穏な日々に戻ったかのように見えた。
コメント
_ おんさん ― 2010/08/28 15:41
_ おさか ― 2010/08/28 23:32
今日は地域の方々との飲み会にいってまいりました。カニ料理の店(ほほほ)。
更新はさすがに今日は無理ですなー。明日をお楽しみに♪
宿題はですね・・・
日程がハードだったわりに、小学生二人はもう大物は終わってて、
一行日記とか音読とかとりあえず10分単位でどうにかなるやつだけ。
中学生は「大物ばっかり残ってる」そうです。明日も試合なのにどうするつもりなんだオマエはあああ。
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